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まず前段として、なぜ私が今ベンチャー企業に投資するベンチャーキャピスタリストをしているのかというところからお話させていただきます。日本で大学を出た後イギリスにいきまして、経済学と政治学の修士号を取り、最初に入ったのが「ボストンコンサルティンググループ」というアメリカの経営コンサルタント会社でした。大企業も扱いましたが、外資系企業で日本に進出したばかりの従業員数名といった小さな企業の戦略を立てるといった仕事もしていました。業種もアパレルから、繊維などの素材を扱う会社、航空機、ビール製造業など様々でした。そうした中で、個人的には色々なビジネスをやっていくうえでは、やはり「マーケティング」というのが最大公約数として効くものなんだろうという認識を得たわけです。 そうしたわけでマーケティングを集中的に実践したいと思い、「マスターフーズ」という世界的にマーケティングでは有名な会社に移りまして、ブランドマネージャーという「マーケティング」をずっと考え続けるポジションに就いたんです。そこでは「ペテグリーチャム」とか「カルカン」といったブランドを担当していました。普通はカスタマー(買う人)とコンシューマー(使用する人)は一致しますが、これらの商品は違いまして、購買する人の80%は43歳以上の主婦なんですが、コンシューマーはイヌ、ネコなんですね。非常に面白い題材を扱わさせてもらい、「マーケティング」を集中的に勉強することができました。
それから英国のケンブリッジ大学に入りましてMBAを取得し、その後、当時世界で一番起業価値が大きかった「GE」に入社しました。「GE」は常に世界戦略を考え、実行する会社でして、このレベルで経営を考えている企業は日本には無いのではないかという気がしまして、それに非常な危機感を感じたんです。アメリカの企業に肩入れするよりは、微力ですが、日本の企業で何かできないものかと考え、日本に帰ってきたわけです。
当時、90年代の終わりごろですが、日本の大企業が変わるというのはなかなか難しいだろうなと考えました。刺激を与えて日本を活性化するのはやはり「ベンチャー」ではないだろうかと考えたんです。インターネットとベンチャーというのはブームでもありまして、その二つのキーワードから「ソフトバンク」に入りました。いろいろなベンチャーにたずさわりましたが、そこで気づいたのは、業界としてやっているビジネスが新しいか既存かという軸と、会社自体がそもそも既存のものか新しいものかという軸、これによって取るべき戦略の位置づけが変わってくるんです。大企業を頂点とするピラミッドの底辺の下請けとか中小企業以外もベンチャーということで括ってしまっていますが、実はとるべき戦略は違っているのです。もうひとつ「ソフトバンク」にいて発見したのは、なかなか日本というのはベンチャーが育っていくには優しい環境ではないということですね。ある程度育つまではやはり少し優しく見守ってあげるのも必要があるのではないでしょうかね。ベンチャー企業には特に信用が必要なので、できれば信用のある企業がベンチャーを見守る必要があるのではないかと思ったわけです。
そんなわけで日本企業の保守本流ともいうべき「日本生命」の投資会社である、「ニッセイキャピタル」という会社に籍を置きまして、いまベンチャー支援をしているといったのが私の現在ということです。
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