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イベントログ

2003年 第5回ビジネス交流会セミナー

何故「マーケティング」なのか
 この間数えてみましたら、通算で600社くらいのベンチャー企業と、なんらかの形で話をさせていただいたり、事業計画書を拝見させていただいたり、設立に関わったりさせていただいてきているんですが、非常に多くの企業さんが「マーケティング」がないというところで伸び悩んでいるんです。そんなことでいく先々で「マーケティング」ってなんでしょうかという話をしてまわっているんです。
「マーケティング」は実はもっとも誤解されている言葉のひとつでもあるんですね。私の定義では「マーケティング」とは、広告だけをすることでも市場調査だけをすることでもありません。基本的に「売れ続ける仕組み」を作ることだと思っています。ある一時点で「売る」ならば強い「営業」があれば何とかなることも多いのですが、では「売れ続ける仕組み」とは何でしょうか。そのポイントはお客さんの視点、お客さんの目から見た差別化要因です。“お客さんの目から見て”というのは当たり前のようですが実はとても大事なのに実践されていないことなのです。自分では差別化されていると思っていても、本当にお客さんの視点から見ると差別化されていない(他社と大差ない)ということが意外に多いのではないでしょうか。
 「マーケティング」戦略が企業戦略の全体像の中でどんな位置づけがされているかを少し話してみます。「マーケティング」というのは実は単なるツールなんですね。どうやって上手くやるかであって、何をするかではないんです。「マーケティング」の視点があると上手くやれる、利益が出る。でも何をするかは、経営者の理念とか戦略とかに「そこで何をしたいか」がまずあって、そこからそれをどうやったら上手くやるための非常に役立つツールが 「マーケティング」なんですね。
 次に「マーケティング」は、製造とか人事、財務、営業といった社内の組織と、お客様とを繋ぐにかわ膠、接着剤の役目のような存在だと思っていただければいいと思います。ほとんどの企業の問題の半分は社内の組織の問題ですが、もう後半分は社内とお客さんとのギャップ、にかわ膠が上手くくっついていないことから起こってきます。「マーケティング」がきっちりできると、そういった問題の半分くらいは解決されてくるのかなと思います。
 これは「マーケティング」を考える順番を示したスライドですが、まず全体の環境を見ます。次に、一番大事なのはここなんですが、「誰に売るか」というのを明確に見定めましょうということです。商売で大切なのは「何をしないか」ということを決めることなんですが、ここでターゲットを決める時は、「誰をターゲットにしないか」も決めることなんですね。「NTT」のような大きな企業ですと「全ての人に最高の満足を」みたいな考え方もできますが、通常ではそれはありえません。多くの中小企業、ベンチャー企業は手を広げすぎて失敗することが多い。特に調子が良くなり始めた時にいろんなことをしてしまいがちになりやすく、そこで失敗してしまうんですね。ですからターゲットを絞り込み、しないことは何かを決めることは非常に大事なんです。
 そして4Pと我々はよんでいますが、Product(商品)、Price(価格)Place(チャンネル)流通網ですね、それと Promotion(プロモーション)広告の組み合わせを考えていくのです。環境分析をしてターゲットを決めた後で、商品とか価格とか流通網、広告宣伝を組み合わせようとする際に気をつけていただきたいのは、これらのステップは必ずしも各段階ごとに、カチッカチッカチッときまっていくものではないということも覚えておいてください。よく間違えられるのは、一度市場分析をしたら、それがカチッとしたバイブルみたいなものになって、それに則って自然に上手くいくと思われることです。そうではなくて、わりとゆるやかに決まっていくんですね。「だいたいこんな市場かな?」「こんな人に売れそうかな?」「こんなような商品かな?」といった具合に一巡してみてですね、それでも合わなかったりするんですよ。ちょっと立ち戻って「狙ったお客さんが違ったのかな?」「市場のにらみ方がちがったのかな?」とまたぐるぐる廻ってみる。結果が良くても悪くても循環していくんです。この循環が大事でして、必ず前の前提に立ち返って考えていく。これが「マーケティング」のポイントになっていきます。

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