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イベント

2003年 第12回ナレッジランチ

提案する商売が大切
冒頭に読んでいただいた「商人の道」に、「商人は、どこからでも養分を吸い上げる浮草でなければならぬ。」という一行があるんですけれども、大阪に帰った時に商店街にいくと、お年寄りが道端にたってゴムを売っているのを見かけることがあるんですね。パンツに使うゴムなんか今時買う人がいるのかなと思うし、わずか10円か15円のゴム紐の利益がどんなものかもわかりませんが、でも売ってる人にとっては、家にいて退屈な思いするよりは、道端に立って、商売しているほうが楽しいのかもしれない。これも一つの生き様だなと思います。小学6年の時でしたか、家計の足しに何かしようと考えて、大阪の市営バスの回数券を買った。11枚つづりが10枚分のお金で買える。一人分の儲けがあるんですね。このまえカンボジアへいったのですが、子供たちは裸足でしたが素直な目をしてまして、「ああ私にもこんなころがあったんだな」なんて思いました。
商人というのは、私がイベントを始めた時のことを考えても、恥ずかしいとか思わずに、こうした純粋な気持ちでいれば、自然にどんどんプラス志向になってくるのじゃないかなと思います。振り返ってみますと、自分で人生を変えたいと思った昭和37,8年頃、本を読んで人生を変えたいと思った、そこからまさしく人生が変わっていったんだと思います。
「風月」の話なんですが、2年ほど前にどう仕様もないくらいに売上が落ちてしまった。どうしたらいいかということで、値段の見直しやら無駄をなくそうとかいろいろ考えたんですが、売上は落ちっぱなしでした。去年でしたか、ある時店にいって「あれっ」と思ったんです。「うちのおすすめがなくなっている」というのに気がつきました。ただのお好み焼きを売っている店だけになってしまっている。そこで「我々は北海道で育てて頂いたんだから、それを売り物にしたら」と考えました。上富良野の滋養豚なんか本当においしいんですが、デパートなんかでも「道産豚」としか表示されていないんですね。それで去年の11月くらいから「私たちは『北の大地』を提案します」ということで、水は羊蹄の水、コブダシも利尻の昆布、十勝のトロロ芋を使うといったふうに、とことん北海道にこだわり始めました。そこで解ったのは、これまではただ店を作って、お好み焼きの数を出して、そして売上がうんぬんといってきただけだったなということでした。本当は自分たちの提案をしっかり続けていくことだなと思ったんです。自分たちの提案を「この製品は北海道のどこそこの製品」と説明することにより、売上が上がってきたんです。最初は何が原因かわからなかったのですが、単純ですが「嘘をつかない」という精神があれば、プラス志向にもつながっていくんだなと気がついた次第です。
もう一枚お手元に「近江商人訓」というのもあると思いますが「三方よし」という言葉があります。「売り手と買い手は信用と信頼が大切ですよ。信用を得るためには社会に貢献しなければいけない」ということが書いてあると思うんです。
「風月」を始めて36年なんですけれども、あと4年はしっかりやっていって、40年目くらいには節目のお祝いをしたいなと思っています。小さな会社ですが、社会への貢献と言う意味では「お好み焼き」の文化というようなものを、北海道の中で広めていければいいなと考えています。素材を北海道にこだわるといった、こんな提案をしているお好み焼き屋は全国にもないわけで、地元の一番店として、お客様から信頼をされる商いをこれからも継続していきたいなと考えています。本日はありがとうございました。

剣豪小説が人生を変える 念願のお好み焼き屋開業
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